
海外移住・赴任・留学の準備で、住民票を抜くべきか悩む方はとても多いです。
住民票を抜くと、年金・健康保険・住民税・銀行口座まで幅広く影響します。
この記事では、海外転出届の意味から、抜いたときの具体的な影響、ケース別の判断までを整理して解説します。
- 住民票を抜く(海外転出届)とは何か
- 抜くと年金・保険・税金・銀行にどう影響するか
- 結局、住民票は抜いた方がいいのか(ケース別)
駐在・税務年金を見てきた編集部が解説します
海外転職LABO編集部
海外転職LABOでは、実体験と編集部リサーチをもとに、現地採用・海外起業・駐在員の3つの視点から海外で働く選択肢を整理しています。
※記事に登場する3人は、編集部の視点を分かりやすく伝えるためのキャラクターです。
現地採用・海外生活・ビザ・保険・語学を担当。
副業・起業・帰国準備・国際結婚・在留資格を担当。
駐在員・家族帯同・海外赴任・帰任後キャリア・税務・年金を担当。
住民票を抜くとは?(海外転出届)
1年以上海外に住む場合は、海外転出届を出して住民票を抜くのが原則です。
住民票とは「住民の居住関係を公に証明するもの」です。
海外に生活の拠点を移す場合は、役所に海外転出届を提出し、住民票を抜く流れになります。
つまり「海外転出届の提出=住民票を抜く」ということです。
一般的に1年以上日本を離れるときに提出が必要とされますが、提出しなくても罰則はないとされ、最終的には本人の判断によります。
1年以上の海外赴任・留学・移住なら、原則は海外転出届を出して住民票を抜くのがルールです。短期滞在や事情がある場合の扱いは自治体で異なるため、お住まいの役所に確認すると安心です。
住民票を抜いたらどうなる?(年金・保険・税金・銀行への影響)
住民票を抜くと、国民年金は任意、国民健康保険は脱退、住民税は翌年以降免除、マイナンバーは使えなくなります。
影響が出る主な項目は次の4つです。
住民票を抜くと影響があるもの
- 国民年金の加入が任意になる
- 国民健康保険は脱退になる
- 住民税の支払いがなくなる
- マイナンバーが使えなくなる
順番に整理していきます。
国民年金は「任意加入」になる
日本に住む20歳以上60歳未満の方は国民年金への加入義務がありますが、住民票を海外に移すと一般的に任意加入の扱いになります。
支払いをやめることもできますが、その期間は将来の年金額が減る点に注意が必要です。
国民年金は老後の老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金も含む公的な保険制度です。
公的なセーフティネットを残したい方は、任意加入を選ぶ方法もあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 渡航後の扱い | 任意加入(加入は本人の選択) |
| やめた場合 | その期間分、将来の年金額が減るとされる |
| 含まれる保障 | 老齢年金・障害年金・遺族年金 |
| 保険料の目安 | 年度により改定(最新額は日本年金機構で確認) |
保険料額や手続きは年度・状況で変わるため、最新情報は日本年金機構や年金事務所で確認してください。
国民健康保険は脱退になる
日本に住民票がある人は原則として国民健康保険に加入しますが、住民票を海外に移すと脱退の扱いになります。
その結果、日本に一時帰国して病院にかかった場合、医療費は全額自己負担になり得る点に注意が必要です。
加入時に使える3割負担や、やむを得ない海外での治療費を一部補助する制度も、原則として使えなくなるとされています。
そのため、海外旅行保険やクレジットカード付帯保険など、民間の保険でカバーする方が多いです。
住民税は翌年以降かからない
住民税は、毎年1月1日時点で日本に住民票がある人に課される税金です。
そのため前年中に住民票を抜いておけば、翌年以降の住民税は原則として課税されません。
ただし前年の所得に対しては課税されるため、移住初年度は支払いが必要になる場合があります。
注意
1月1日時点で住民票が日本にあると、その年の住民税が発生します。渡航前に抜けば翌年以降の課税は避けやすいですが、前年所得分の課税は避けられません。具体的な金額・時期は自治体の税務課に確認してください。
マイナンバーが使えなくなる
海外転出届を出して住民票を抜くと、マイナンバーカードは失効し、カードが手元に残っても機能は無効化されるとされています。
この状態では、次のような不都合が出てきます。
- 日本の銀行や証券会社で新規口座を開設しにくくなる
- 海外送金や本人確認など、マイナンバーが必要な手続きがしにくくなる
- 海外金融機関でマイナンバーを求められるケースもある
渡航前に住民票を抜く予定がある方は、銀行口座や証券口座の手続きを出国前に済ませておくと安心です。
なお、マイナンバー自体の番号は変わらないとされ、帰国して住民票を戻せば再び有効になり、カードの再発行も可能とされています。
結局、住民票は抜いた方がいいの?(ケース別)
1年以上の赴任・留学・移住なら原則は抜く、短期や事情がある場合は残す相談も検討、が基本です。
住民票を抜くかどうかで、日常の手続きと将来の備えに大きく影響します。
抜いた場合と残した場合の違いを表にまとめました。
1年以上の海外赴任・留学・移住を予定している場合は、原則として海外転出届を出して住民票を抜くのがルールとされています。
一方で、短期滞在や特別な事情がある場合は、自治体によって住民票を残す相談ができるケースもあります。
抜いた方が負担は軽くなりますが、年金や保険の備えをどうするかは人によって正解が変わります。
年金・社会保険まで含めて整理したい方は、お金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談する方法もあります。
まとめ:住民票を抜く前に年金・保険の備えを

- 1年以上の海外居住は、原則として海外転出届で住民票を抜く
- 国民年金は任意加入、国民健康保険は脱退の扱いになる
- 住民税は翌年以降かからない(前年所得分は課税)
- マイナンバーが使えず、口座開設は出国前が安心
- 制度は自治体・年度で異なるため、役所や専門家に確認する
税金や保険料の負担が軽くなるのは魅力ですが、弱まる社会保障への備えはセットで考えたいところです。
年金は任意加入で継続する、医療は民間保険でカバーするなど、自分の滞在計画に合った対策を選びましょう。
制度の細かい扱いは自治体や年度で変わるため、最終的にはお住まいの役所や専門家に確認するのが確実です。
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