
海外で暮らしていると、日本の年金は気づかないうちに「自分とは関係のないもの」になりがちです。
ですが結論からお伝えすると、海外在住でも「任意加入制度」を活用すれば、日本の年金を将来きちんと受け取ることができます。
住民票の有無や手続きのタイミング次第では、受給資格を失ってしまうこともあるため、仕組みを早めに知っておくことが大切です。
この記事では、海外在住中の年金の取り扱い、任意加入の方法、受給に必要な「10年ルール」まで、将来のために今知っておきたい情報を整理しました。
- 海外に住むと年金はどうなる?住民票との関係
- 任意加入制度のしくみとメリット・注意点
- 年金受給に必要な「10年ルール」と確認のしかた
海外の年金は「税務・年金担当」の編集部が解説します
海外転職LABO編集部
海外転職LABOでは、実体験と編集部リサーチをもとに、現地採用・海外起業・駐在員の3つの視点から海外で働く選択肢を整理しています。
※記事に登場する3人は、編集部の視点を分かりやすく伝えるためのキャラクターです。
現地採用・海外生活・ビザ・保険・語学を担当。
副業・起業・帰国準備・国際結婚・在留資格を担当。
駐在員・家族帯同・海外赴任・帰任後キャリア・税務・年金を担当。
そもそも日本の年金制度ってどうなってるの?
日本の年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建てで、住民票がある人が加入対象になります。
まずは全体の仕組みをざっくり押さえておきましょう。
国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する、いわゆる「基礎年金」です。
厚生年金は、会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入し、給与から天引きされる仕組みになっています。
これらはいずれも、日本に住んでいる人(=住民票がある人)が対象です。
そのため、海外へ転出して住民票を抜くと、自動的に加入義務がなくなります。
ポイント
住民票を抜いて加入義務がなくなっても、希望すれば年金を払い続けられる「任意加入制度」があります。次の章で詳しく解説します。
海外在住でも払える!任意加入制度とは?
任意加入制度を使えば、住民票を抜いた海外在住者でも自分の意思で国民年金を払い続けられます。
住民票を抜いたら、もう年金は払えない――そう思っている方は少なくありません。
ですが実際には、海外に住んでいても希望すれば国民年金を継続できる「任意加入制度」が用意されています。
これは、住民票を抜いて強制加入の対象から外れた人が、自分の意思で継続加入できる制度です。
対象となるのは、20歳以上60歳未満の海外在住の日本人です。
「年金は改悪が続いているし、入っても意味がないのでは」と感じる方もいるかもしれません。
しかし国民年金には、高齢になったときの「老齢年金」だけでなく、病気やケガで障害を負ったときの「障害年金」、本人が亡くなった場合の「遺族年金」という備えも含まれています。
これらをすべて民間保険でまかなおうとすると、月々の負担はかなり大きくなります。
だからこそ、受給額の多寡だけで判断せず、制度に「つながっておく」こと自体に意味があるといえます。
任意加入のメリットと注意点を整理
任意加入は受給資格の確保や受給額アップにつながる一方、保険料は全額自己負担になる点に注意が必要です。
任意加入は「希望すれば払える」だけでなく、将来の年金受給や生活設計に大きく関わる制度です。
得られるメリットと、気をつけたい注意点を整理しておきましょう。
任意加入の3つのメリット
メリット
- 老齢年金の受給資格(10年)を満たせる
- 納付期間を増やして将来の受給額をアップできる
- 空白期間を防ぎ、将来の制度トラブルを回避できる
この制度を使えば、海外生活が長くても、将来受け取れる年金をゼロからプラスへ変えられます。
特に、海外に長く住んでいて、いずれまた日本で暮らしたいと考えている方には心強い制度です。
任意加入で気をつけたい注意点
注意
- 保険料は全額自己負担になる
- 未納が続くと将来の受給資格を失うおそれがある
- 海外からの支払いや手続きが少し面倒
受給に必要な年数「10年ルール」とは
年金を受け取るには10年以上の加入・納付期間が必要で、以前の25年から大幅にハードルが下がりました。
日本の年金制度では、年金を受け取るために「10年以上」の加入期間(保険料の納付期間)が必要です。
以前は25年が必要でしたが、2025年時点では制度が見直され、ハードルが大きく下がりました。
任意加入を使って、この10年の期間を満たすこともできます。
「自分はあと何年足りているのか」が気になる方は、まず年金記録を確認してみましょう。
マイナポータルや「ねんきんネット」を使えば、オンラインで加入記録を確認できます。
帰国後であれば、年金事務所や市区町村の役所での相談も可能です。
空白期間(納付漏れ)が見つかった場合は、追納や記録の修正で対応できるケースもあります。
今からできる自分年金対策も検討しよう
公的年金に加えて、新NISAやFP学習・FP相談といった「自分年金対策」を組み合わせると将来の不安が小さくなります。
任意加入は公的年金に継続して関わる大事な手段ですが、それだけで万全というわけではありません。
そこで検討したいのが、自分でできる「自分年金対策」です。
たとえば、新NISAを活用して非課税で資産形成を進める方法があります。
また、FPの資格勉強を通じてお金の仕組みを深く理解したり、ファイナンシャルプランナーに相談して将来設計を明確にする方法も有効です。
いずれも海外在住中から始められるため、年金に不安がある方は早めに動いておくと安心です。
年金や保険の不安は、専門家に一度相談して全体像を整理しておくと判断しやすくなります。
まとめ:海外在住でも「年金放置」はNG

- 住民票を抜いても、任意加入で国民年金を継続できる
- 10年以上の納付で受給資格が得られる(以前は25年)
- まずは年金記録を確認し、現状を把握することが第一歩
- 新NISAやFP学習など「自分年金対策」も併せて検討する
海外に住んでいると、日本の年金制度から距離を感じてしまうのは自然なことです。
しかし、「知らなかった」「放置していた」ことが、将来の受給資格の喪失や老後の不安につながってしまうのも事実です。
住民票を抜いていても、任意加入制度を使えば年金を継続して納められますし、10年の納付期間があれば受給資格を得られます。
年金だけに頼らず、新NISAやFP学習といった自分年金対策も併せて考えることで、より安心できる将来設計が可能になります。
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